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☆「日本人の感覚」①  「日本語の語感は英訳できない」 2019,3,1 諷虹・虚空やりとり

2月28日の英国紳士の武蔵君とのやりとり内にあった海外の日本アニメファンとのやりとり http://syunkoukai.edoblog.net/Entry/245/ をきっかけにしての対話が中心です。
アニメの吹き替えにしても、俳句などの英訳にしても、本来持っている語感が伝わるのかどうか・・・
「言霊の国」という言い方もありますが、「音感」で意味の違いを伝えようとする特徴のある日本語の微妙なニュアンスを直感できるように英訳するのはかなり困難だと思います。
それだけ日本語を「母国語」として獲得することは「人間性そのものの成長」と直結しています。」
しかし、現代の日本人そのものが感じられなくなりつつある・・・
早期英語教育は国家をあげて日本人を育てない政策を官民一体となって行っているようなものだと思います。
先ずはコミックに関してのやりとりから始まりました。
*NEW GAME  フランス編
虚空 ライバルに助言・・・ライバルが向上すれば自分もより向上できる・・・。せこいことを考えてしまったら自分も伸びなくなる。
*棺かつぎのクロ おまけのラーメン屋シーン内セリフ
作品としてピリオドを打っても誰かの心のなかに残っているうちはそれはきっと”続いていく”ものなんだよ。やり残した事が特に思いつかないのだって、多分私はこれでそれなりに満足しているんだろう。それでも必要なときが来ればまたどこかに呼ばれる事もあるだろうし、また何か新しい出来事につながるかもしれな。その時のために継ぎ足しスープはこれからも残しておくから・・・・・』
*英国紳士の武蔵君 「海外の日本アニメファン交流体験」のことを聞いて
諷虹 吹き替え版じゃないんですね
虚空 日本のアニメは吹き替えじゃダメだって向こうのアニメファンは言うらしいよ。
やっぱり音感語だからじゃないかな。音の響きの面白さがなくなってしまう
諷虹 イメージが全然違ってしまう・・・ずれている。だいたい日本の「声優」というような職業の人たちっているんでしょうかね。熟練の技がない。
虚空 英語の直すと全く味気なくなるよね。
昔、古い日本映画・・・吉村公三郎監督「源氏物語」で海外輸出版だったから英語の字幕がついていたんだよね。そうするとさ、敬語もはったくれもない。紫の上のセリフについていたのが「Mikado said」だった衝撃は今でも覚えているよ。
諷虹 海外のを日本語にするとむしろ・・・
虚空 微妙なニュアンスとかで元のよりも豊かになるかもしれないよ。
最近、NHKで再放送している刑事コロンボを原語で観ているんだけど My wife だもんね。「うちのカミサン」っていうのが名吹き替えだって言われていたし、今だに伝説になっているじゃない。
諷虹 「ちはやふる」の中で主人公が百人一首で英語の勉強をする場面があって・・・でも単に情景を読んだ文にしかならない。(原作第34巻 178首)
 田子の浦に うち出(い)でてみれば 白妙(しろたへ)の
    富士の高嶺(たかね)に雪は降りつつ
⇒ Coming out from Tago's nestled cove,
I gaze: white,pure white the snow has fallen on Fuji's lofty peak.(リービ英雄訳)
千早「『たご』だ…原歌のほう…『たご』を訳すとこうなるんだ・・・」
周防「へぇ…おもしろいね 『真白にそ』はたんに”pure white”としてもいいところを”white pure white”と書く。確かに気持ちが伝わってくる。受験生さん 君の得意な『ちは』はどう訳す?」
千早「・・・・・・・・・」
周防「『唐紅』は”red”? んー”crimson”かな…」
千早「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・訳せない・・・」
周防「『水くくる』とか難しいですよね」
千早「ただの 景色を詠う歌になっちゃう」
虚空 
今ネットで文法解説を読んだんだけどさ・・・
【雪は降りつつ】
 「つつ」は反復・継続の接続助詞で、時間の継続の意味がこめられており、雪が連綿と降り続いていることを表します。
それを英語では現在完了形でつかまえているんだね。「継続用法」なんてあるから「現在完了進行形」を使うほどでもないのかな?????
以前も話題にしたけど「ふるいけや かわずとびこむ みずのおと」だってさ、直訳したら何のこっちゃ、だろ。
ネット検索 いろいろな英訳例が載っているサイト
俳句を英語で楽しもう!素晴らしきHAIKUの世界へ
https://eikaiwa.dmm.com/blog/39040/
古池や 蛙飛び込む 水の音(松尾芭蕉)
Old pond / Frogs jumped in / Sound of water.
小泉八雲(Lafcadio Hearn)
The old pond, Aye! / And the sound of a frog / leaping into the water.
Basil Hall Chamberlain
The ancient pond / A frog leaps in / The sound of the water.
 Donald Keene
The old pond. / A frog jumps in / Plop!
Reginald Horace Blyth
An old silent pond... / A frog jumps into the pond, / splash! Silence again.
Harry Behn
静かによどんだ古池に、突然その静けさを破り、カエルが飛びこむ音がする。しかしそのあとはまたひっそりと静まりかえる。
ご存じ松尾芭蕉の名句。数々の英語訳が存在しており海外でも "Frog Poem" として有名です。
「古池や」ですが訳者によって "old" を使ったり "ancient" を使ったりしています。 "ancient" という言葉には「古来の、由緒ある」という歴史をより感じさせる意味が含まれます。
Chamberlainが用いた "Aye" とは驚きを表現する間投詞です。
Blythの用いた "plop" は「ドブン、ポチャン」といった水に物が落ちる音を現す言葉です。
Behnは「水の音」を "Silence again” (また静けさが戻る)と訳しています。これはカエルが飛び込む音ではなく、その後の静けさを強調したいという芭蕉の意図を汲んだ意訳となっています。
でも日本語レベルでもさ、「ふるいけや」じゃなくて「古池に かわずとびこむ 水の音」って、切れ字の「や」を「に」にしただけでも、全然印象が変わるじゃない。
これがどんな風に変わるのか、なんて外国人に納得してもらう説明なんて出来るの?
そういう感覚が「母国語」の獲得。上原先生が盛んに言っていたけど「母国語は単なる意味伝達の道具ではないんだ」って。「心や生き方そのものを整えていくものなんだ」って。
それを幼児期どころか乳児期から英語の音にばかりさらしていたら・・・末恐ろしいよ。
漢語に伴う感覚だってさ、さっきの「唐紅」を crimson ってしていたけど、「深紅」っていってさ、じゃあ「深紅」と「唐紅」は完全に同じ感覚の言葉なのか、って。
どうなんだろうね。
諷虹 Chinese crimson(笑)
虚空 それで違いがどうでるのかね?ネットで調べたんだけど・・・
 唐紅は真紅色のこと。つまり唐紅は真紅の別名です。真紅(しんく)は名前の通り深みのある紅色のことです。基本的にまじりっ気がない赤色を指します。
違うサイトでは、特に「紅花で染めたものをさす」ってあった。
一応区別はしていたみたいだね。
諷虹 「命くれない」ってあるじゃないですか。「紅の糸」
虚空 男女を結ぶ「赤い糸」がもっと強烈になった感じだね。
諷虹 このあたりも日本語の響きと色の知識と・・・かなり高度ですよね。
虚空 それこそ江戸時代のグレー・・・鼠色。何種類もある。
日本の伝統色<江戸時代の流行色、鼠系あれこれ>
https://ameblo.jp/4847sanki/entry-12383806541.html
諷虹 「きつね色」っていうのも、料理で使われるとおいしそうに感じますよね。
茶色って言われたんじゃね・・・
虚空 「こんがりキツネ色に」が「こんがり茶色」「こんがり黄土色」「こんがり茶褐色」では全然美味しそうに感じないよね。
諷虹 飴色なんていうのもそうですよね。
虚空 外国人に説明を求められても、それこそ解説できないものが山ほどある。
でも英語漬けで日本の子どもを育てていたら、そうしたことが分からない子になっちゃうよ。でさ、それは大きくなって周囲と言葉のやりとりをするようになって深刻な孤独感を感じることになるんじゃないかって。それが心配だよ。
前にも言った、スーパーでの「grandma」や、神田明神での「horse」・・・日本人ばなれした発音を幼児が語っていたわけだけどさ、あの子たちは将来「おばあしゃん」とか「おうまさん」という言葉を聴いた時に、その響きから意味以上の雰囲気を感じられるのかなって。懐かしい響きとかさ。昔話なんて聴いても、全く違った感覚になるんじゃないの。
それこそ「まんが日本昔ばなし」なんかを観せてもさ・・・。
諷虹 英語の得意な人って、普段から英語にすること前提で細かいニュアンスとかは考えないようにしているんですかね。
虚空 きのうの英国紳士君もね「単語単位」での並びでむこうは発想する。でも日本語は音で意味をつくっていく、って。
昨日のやりとりも近々アップするけど、面白い感想をいっぱい話してくれたよ。
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