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☆2019,01,18 諷虹・虚空② 「ハリーポッター」→「犠牲論・貴種流離譚」

諷虹 魔法ものもですよね。ハリーポッターなんかも大うけしたじゃないですか。あれは世界的ですけど、でも日本でも受けたじゃないですか。あそこにも何か刺激するものが・・・
虚空 そりゃ子どもだから魔法のようなものに憧れるというのはどの国でもあるだろうけど、日本人が特に気に入る要素としてはさ、ハリーポッターが神様にマークされている存在・・・上原先生のいう犠牲者の要素があるじゃない。困難を背負う宿命。
たしかさ、額に傷かなんかあったよね。
諷虹 魔王に殺されそうになったときに、ここに傷がついただけで死ななかった。
*Wiki 本作の主人公。赤ん坊の頃にヴォルデモートに命を狙われ、襲われたが、歴史上唯一生き残り、ヴォルデモートを消滅させたことから「生き残った男の子」や「選ばれし者」と呼ばれる。額には当時受けた呪いのために出来た稲妻型の傷がある。
虚空 それが日本人を刺激するっていうのはあると思う。額の傷なんてさ。だいたい額っていうのは日本人じゃなくても意識は集中する場所だけど・・・第三の目とかで。・・・
昔流行った劇画で映画にもテレビドラマにもなった「愛と誠」っていうのがあるよ。映画の主人公は西城秀樹が演じてたんだけど、あれも幼い時にスキー場での事故で額に傷をおって・・・
諷虹 顔に傷がついてとか・・・北斗の拳のケンシロウのように胸に七つの傷があるとか・・・リリスパの師匠とかも目に傷。
虚空 そういうことによってある種の資格を得ているという心意伝承があるわけだよ。それを上原先生は犠牲論といった。犠牲は結果ではないと。そうなる前から定められていたというような・・・魂のレベルが破格に高いから、人並み以上の試練が襲い掛かってくる。
あるいはさ、あちらの世界で神と交感できるだけの力を持っているから、そのためには現世を去らなければならない・・・とかね。
諷虹 前の手を失った男の子の話・・・児言態の授業で前にありましたよね。
虚空 「左の手」だね。現実対応が出来ないといって絶望してしまうのか、現実には腕がなくなってしまっているけれども、さらにそれを上回るイマジネーションを発動し、イメージ力でそれを突き抜けて、人生に希望を失わずに今後も生きていけるのか・・・っていうことだったからね。
授業記録 http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/46615/20181218130745833471/Jidou-no-GengoSeitaiKenkyu_18_109.pdf
虚空 人生は「魂の修行の場」であり、実体はあちらの世界・・・と考えると、すごい魂の持ち主にほど試練がくる。大変な人生を送る。そしてあちらの世界で神格を得る・・・というような。折口先生はそういった型を『貴種流離譚』って呼んでいたけど。

それは今回の「えんどろ~!」でもあったよね。勇者の剣を「ユーシャ」が抜いたとたんに試練が訪れてくる・・・それがお約束になっているというのも背景には犠牲論的心意伝承があると思う。
セーラームーンRなんかのキングエンディミオンのセリフにもそんなのがあったよ。
諷虹 魔王の邪魔によって剣との出会いがあったりしたわけですよね。それがなかったら勇者になれなかった。
虚空 「敵」の位置づけだよね。だからセーラームーンでも強大な敵がセーラームーンのパワーアップのきっかけをいつも作っている。
魔王にも敵にも「向上させてやろう」なんていうつもりは全くなくてもね。
『貴種流離譚』
大辞林 第三版の解説
〔折口信夫の命名〕
説話の一類型。若い神や英雄が他郷をさまよいさまざまな試練を克服し、その結果、神や尊い存在となったとするもの。在原業平ありわらのなりひらの東下り伝説、かぐや姫伝説、また、源氏物語の須磨流謫るたくの条などがこれにあたる。
他の解説等々「コトバンク 貴種流離譚」
https://kotobank.jp/word/%E8%B2%B4%E7%A8%AE%E6%B5%81%E9%9B%A2%E8%AD%9A-473698
諷虹 そういった傷とかって「トラウマの可視化」っていうのもありますよね。その傷があるかぎり後悔をひきずるというのがお約束といえばお約束ですからね。
歴戦の戦士も体の傷ひとつひとつがね。
虚空 傷の裏側に人にはわからないドラマが隠れている。
その傷をみるたびに「あーあ、こんな失敗をしちゃったんだな・・・」って思って終わりになってしまうかどうかが分かれ道だね。
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